賃貸物件と持ち家でかかる費用を比較!保険や維持費も解説

賃貸物件と持ち家でかかる費用を比較!保険や維持費も解説

引っ越しをするタイミングで、賃貸物件を探すか、持ち家を購入するか迷う方はいらっしゃるかもしれません。
費用面でどちらのほうがお得になるかは、それぞれのライフスタイルや重視するポイントによって異なるでしょう。
そこで今回は、賃貸物件と持ち家でかかる費用を家賃、保険、維持費などの項目に分けて解説します。

賃貸物件の家賃と持ち家でかかる費用を比較

賃貸物件の家賃と持ち家でかかる費用を比較

初めに賃貸物件と持ち家の違いについて「住居費の違い」「資産性」「柔軟性」「住み心地」に分けて解説します。

比較①住居費

賃貸物件の場合、月々の家賃が住居費として必要です。
家賃以外の費用としては、敷金、礼金、火災保険料、更新料などがあります。
持ち家の場合は購入時に住宅ローンを組み、入居後は月々のローン返済が必要となります。
持ち家では、税金やメンテナンス費用の支払いも求められるでしょう。
賃貸物件の家賃と持ち家の月々のローン返済額を比較すると、金額がそれほど大きく異ならない場合もあります。
ただし、税金やメンテナンス費用を加えると、持ち家のほうが高くなる場合が多いです。

比較②資産性

賃貸物件と持ち家の大きな違いのひとつは、資産性です。
賃貸物件の家賃は家主への支払いであり、資産としては蓄積されません。
賃貸物件に住み続ける限り、退職後も家賃の支払いを続ける必要があります。
一方、持ち家はローンを完済すれば自身の資産となります。
ローンを完済していれば、退職後に収入が減少しても住居費の負担が少なくなる点がメリットです。

比較③柔軟性

ライフスタイルの変化があった場合、賃貸物件に住んでいる方が柔軟に対応できます。
家族が増えて住居が手狭になったり、転職で他の地域に引っ越したりする必要が生じた場合、賃貸物件であれば簡単に次の住まいに移ることができます。
一方、持ち家の場合、住宅ローンの残債があると賃貸物件ほど手軽に引っ越すことはできません。
病気やけが、解雇などで収入が減少してもローン返済が続き、経済的な負担が大きくなるリスクもあります。
気軽に引っ越しができないため、自然災害や近隣トラブルなど、入居後に発生するリスクも受け入れる必要があります。

比較④住み心地

賃貸物件と持ち家のどちらが住み心地が良いかは、視点によって異なります。
賃貸物件では手軽に引っ越しができるため、常に築浅物件に住み続けることが可能です。
自分で導入費用や維持費用をかけずに、最新設備が導入された物件に移ることもできます。
一方、持ち家は、月々のローン返済額と同程度の家賃の賃貸物件と比較して、スペックが高い場合が多いです。
持ち家では、自分の好みに合わせて間取りや設備の交換などリフォームができるため、長期的な住まいとして適しています。

賃貸物件と持ち家で加入する保険を比較

賃貸物件と持ち家で加入する保険を比較

賃貸物件と持ち家では、加入する保険にも違いがあります。
ここでは「賃貸物件の火災保険」「持ち家の火災保険」「持ち家で加入する団体信用生命保険」に分けて比較解説します。

賃貸物件の火災保険

火災保険には、建物と家財を補償する2種類の保険があります。
賃貸物件の場合、建物の保険は家主が加入し、居住者は家財の保険のみ加入することが多いです。
賃貸物件で火災保険に加入する主な目的は、自身の家財の補償と家主や近隣への損害賠償です。
引っ越しをする場合でも、旧居と同等の住まいであれば、契約期間内の火災保険を継続できる場合があります。

持ち家の火災保険

持ち家では、建物と家財の両方を補償する火災保険に加入するケースが多く、賃貸物件に住む場合よりも保険料が高くなります。
建物の保険料は、建物の構造、広さ、築年数などによって異なります。
マンションの場合、共用部分は管理組合が保険に加入し、専有部分のみ個人で加入することが多いです。
持ち家の場合、火災以外のさまざまなリスクについても考慮する必要があります。
海や川の近くの地域では水災のリスクがあり、大通り近くでは車による建物の損壊の可能性もあります。
立地や自身のニーズに合わせて、補償範囲を慎重に検討することが大切です。

持ち家で加入する団体信用生命保険

持ち家では、火災保険に加え、団体信用生命保険にも加入する必要があります。
団体信用生命保険とは、住宅ローン契約時に必須となる保険です。
契約者が死亡したり高度障害を負ったりしてローン返済ができなくなった場合、保険金によってローンが完済される仕組みです。
住宅ローンを契約すると、月々の返済額にくわえて団体信用生命保険の保険料も支払う必要が生じます。
しかし、持ち家を所有する方にとって、この保険には大きなメリットがあります。
契約者に万が一のことが生じた場合、家族はローン返済義務を負うことなく、持ち家も失わずに済む重要な補償です。

持ち家にかかる維持費について

持ち家にかかる維持費について

持ち家には維持費がかかる点は、賃貸物件との大きな違いです。
持ち家にかかる維持費について「税金」と「メンテナンス費用」に分けて解説します。

持ち家にかかる維持費①税金

持ち家にかかる税金には「固定資産税」と「都市計画税」があります。
固定資産税は、毎年1月1日時点で不動産を所有している方に対して課税される税金です。
固定資産税の納税額は「課税標準額×1.4%」で計算されます。
課税標準額は、固定資産課税台帳に登録された不動産の価値を示す価格です。
課税標準額は3年に1度見直しがおこなわれるため、税額には変動があります。
都市計画税は、市街化区域にある不動産を所有している方に対して課せられる税金です。
市街化区域外の不動産には課税されません。
都市計画税の税額は「課税標準額×上限0.3%」で計算されます。
都市計画税は地方税に分類され、市区町村によって税率が異なる場合があるため、注意が必要です。

持ち家にかかる維持費②メンテナンス費用

持ち家を新築で購入した場合でも、経年によりさまざまな箇所の劣化が生じるため、メンテナンス費用が必要となります。
メンテナンスが必要となる箇所の例は、以下のとおりです。

●屋根の修理
●外壁の塗装
●クロスの張り替え
●水回りの設備交換
●暖房器具などの設備交換


日常的に使用する箇所や外気に触れる箇所は劣化が早いため、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンスにはまとまった費用がかかるため、修繕が必要になってから資金を準備するのでは間に合わない可能性があります。
そのため、入居後から将来のメンテナンスに備えて積み立てを始めることが重要です。
一戸建ての場合は、自身でメンテナンス計画を立て、リフォームや修繕費用を貯金して積み立てておきます。
マンションの場合は、管理組合が修繕積立金を集めて管理するのが一般的です。
一戸建てとマンションを比較すると、マンションの方が維持費が高くなる傾向があります。
マンションは管理会社が建物の管理をおこなうため、メンテナンス費用のほかにも月々の管理費を支払う必要があります。
費用がかかる一方で、日常清掃や設備点検などを専門会社に委託できるため、持ち家に比べて管理の手間が少ないのが特徴です。

まとめ

賃貸物件の家賃と持ち家の月々のローン返済額はそれほど変わらないケースもありますが、税金やメンテナンス費用を含めて比較すると、持ち家のほうが多くの費用がかかります。
保険を比較すると、賃貸物件は家財を補償する火災保険のみに加入するのに対し、持ち家では建物を補償する火災保険や団体信用生命保険への加入も必要です。
持ち家を所有する場合、税金やメンテナンス費用などの維持費も継続的にかかります。