ペット可賃貸物件の退去費用は高い?費用相場や低く抑えるコツを解説

ペット可賃貸物件の退去費用は高い?費用相場や低く抑えるコツを解説

ペット可賃貸物件は、一般的な賃貸物件に比べて退去費用が高くなりやすい傾向にあります。
引っ越しの際にはなにかとお金がかかるため、退去費用はなるべく最小限に抑えたいですよね。
そこで今回は、ペット可賃貸物件の退去費用について、相場や安く抑えるための対策方法などを解説します。

ペット可賃貸物件の退去費用が高い理由

ペット可賃貸物件の退去費用が高い理由

賃貸物件に入居する際には、初期費用として敷金を支払うのが一般的です。
敷金とは、賃料の未払いや退去時の原状回復費用に備えて、貸主に担保として預けるお金です。
原状回復の費用も敷金から差し引かれ、敷金が原状回復費用を上回っていれば差額が返還されます。
反対に原状回復費用が敷金を上回っている場合は、不足分を追加で支払わなければなりません。
ペット化物件は通常の物件に比べて汚れやすく、敷金だけで賄えずに追加費用が発生しやすい傾向にあります。
なかでも室内が以下のような状態になっている場合は、退去費用が高くなりやすいため注意が必要です。

壁紙に汚れ・傷・破れがある

ペットの種類や性格によっては、壁紙を引っかくことがあります。
壁紙に汚れや傷がある場合、張り替えが必要となり、退去費用が高くなる可能性があるでしょう。
壁紙の張り替え費用は数万円かかることが多く、面積が大きくなるほど高額になります。

部屋にペットのにおいが染み付いている

ペットを飼っている方は、においに慣れているため、動物のにおいを強く感じにくいことがあります。
しかし、動物には特有のにおいがあり、外部の方には「くさい」と感じられることがあります。
とくにペットのトイレやケージ周辺はにおいが付きやすく、自分では完全に除去するのが難しい場合があるでしょう。
においの程度によっては業者による清掃が必要となり、これも退去費用が高くなる原因の一つです。

柱に傷が付いている

犬や猫を飼っていると、爪とぎや噛みつきによって柱に傷がつくことがあります。
壁だけでなく柱にも傷がある場合、退去費用が高くなる可能性があるため注意が必要です。
ペットの習性による傷であっても、修繕費用は借主が負担する必要があります。

ペット可賃貸物件の退去費用の相場

ペット可賃貸物件の退去費用の相場

一般的な賃貸物件の退去費用は、家賃1か月分としているケースが多いです。
一方でペット可賃貸物件の退去費用は、家賃の2〜3か月分が目安と考えておきましょう。
ペット可賃貸物件では、おもにフローリング・壁・柱の修繕が発生し、そこに費用が発生します。
ここからは、フローリング・壁・柱を修繕する際の費用相場について解説します。

修繕費用の相場:フローリング

賃貸物件のフローリングは、損傷箇所だけを補修するのが難しく、一般的に全面張り替えとなります。
全面張り替えにかかる費用は、6畳~10畳の居室で10万円~18万円が相場です。
張り替え費用は修繕する場所によっても異なり、洗面所では約9万円、廊下では約8万円が目安となります。
また、床の素材によっても費用は変動し、通常のフローリングよりもクッションフロアのほうが低コストです。

修繕費用の相場:クロス(壁紙)

クロスもフローリングと同様に、居室全体を張り替えるケースが多くあります。
修繕費用の目安は、6畳~10畳の居室で4万~7万円程度、玄関や廊下、水回りは約4万円です。
クロスの張り替え費用は、フローリングに比べると高額ではありません。
しかし、壁紙の奥にある下地ボードまで損傷している場合は、追加費用が発生するため注意が必要です。
たとえば、壁紙の継ぎ目に尿がかかると、下地ボードにまで染み込み、臭いが残るため交換が必要になります。
下地ボードの取り替え費用は2.5万円~6万円が相場で、クロスの張り替えと合わせると10万円を超えることもあります。

修繕費用の相場:柱

賃貸物件の柱に関しては、傷が付いている部分のみを修繕することが可能です。
傷が複数箇所ある場合、その分だけ費用が増加するため注意が必要です。
浅い傷であれば2万円程度で修繕できますが、深い傷や尿のシミなどは4万円~5万円ほどかかります。
損傷の程度によっては10万円を超えることもあるため、入居後すぐに対策を講じておくことが重要です。

ペット可賃貸物件の退去費用を抑えるための対策

ペット可賃貸物件の退去費用を抑えるための対策

ペット可賃貸物件の退去費用を抑えるには、なるべく入居してすぐに対策することをおすすめします。
もしすでに入居しており、まだ何も対策していないという場合は、早めにできることから取り入れましょう。
傷や汚れがひどくなればなるほど修繕費用が高くなり、退去時の負担が大きくなってしまいます。
ペットによって室内に傷をつけられていても、対策をすればこれ以上傷がひどくなる心配はありません。
ここからは、ペット可物件に入居した際にしておきたい、傷や汚れの対策方法を解説します。

対策1:カーペットやマットを敷く

居室にカーペットやマットを敷くことで、ペットの引っかき傷を予防できます。
汚れても洗濯ができるため、フローリングに尿のシミがつく心配もありません。
正方形のマットを組み合わせて使うジョイントマットは、1枚約500円で購入可能です。
1枚ずつ取り外せるため、汚れがひどくなった部分だけを買い替えることができます。
こまめに洗濯・交換を行い、においが残らないようにしておけば、退去時のにおい除去費用を抑えることができます。
カーペットやマットを購入する際は、防音性能の良いものを選ぶことが大切です。
ペットが若いほど運動量が多く、走ったりジャンプしたりする音が隣や下の階に響きやすくなります。
騒音トラブルを避けるためには、手入れのしやすさだけでなく、防音性も考慮して商品を選びましょう。

対策2:定期的にペットの爪をカットする

退去費用の負担を抑えるためには、ペットの爪を適切な長さに整えることが重要です。
ペットの爪を定期的に切ることで、床や柱、壁に傷が付くのを防ぐことができます。
爪切りの頻度は、犬や猫の年齢や個体差、外出の頻度によって異なります。
成犬や成猫の場合、爪切りは月に1回程度が目安ですが、個体差があるため、2週間に1度様子を見ておこなうことがおすすめです。
また、室内に動物特有のにおいが残らないように、ブラッシングや入浴も定期的におこなうことが重要です。

対策3:壁に保護フィルムを貼る

ペットの引っ掻きやいたずらを防止するために、壁に保護フィルムを貼ることもおすすめです。
保護フィルムはホームセンターやペット用品店、通販サイトなどで購入できます。
注意点として、原状回復が可能な保護フィルムを選ぶようにしましょう。
強粘着タイプは剥がす際にクロスを傷付けることがあり、原状回復が必要な賃貸物件には適していません。
商品を選ぶ際は、「貼って剥がせる」と記載された弱粘着タイプや静電気タイプを選ぶと良いでしょう。
また、猫を飼っている場合は、爪研ぎボードなど、壁を引っかかないための道具を購入することをおすすめします。
爪研ぎボードはホームセンターやペット用品店で1枚あたり約1,000円で購入できます。
形状やデザインが豊富なので、室内のインテリアに合わせて選ぶと良いでしょう。

まとめ

ペット可賃貸物件の退去費用が高い理由は、ペットによる傷や汚れ、においが室内につきやすいためです。
とくにフローリングや壁・柱は傷付きやすく、状態によっては退去費用が数十万円を超えることもあります。
退去時の費用を安く抑えるためには、入居した時点で早めに対策をしておくことが重要です。
カーペットを敷いたり保護フィルムを貼ったりすると共に、ペットの爪切りも定期的におこないましょう。