賃貸物件に害虫が出る原因について!害虫駆除費用の負担者も解説
賃貸物件に住んでいると、ゴキブリやシロアリ、ダニなどの害虫の発生に悩まされることがあります。
しかし、なぜ害虫が発生するのか、害虫駆除にかかる費用は自分で負担しなければならないのかなどの疑問を抱くこともあるでしょう。
そこで今回は、賃貸物件に害虫が発生する原因にくわえて、害虫駆除にかかる費用の負担者や害虫が発生しやすい建物の条件についても解説します。
賃貸物件に害虫が発生する原因
賃貸物件に害虫が発生するおもな原因は「環境」と「建物の構造」にあります。
ここでは害虫が発生する原因について解説するので、自分が借りている賃貸物件に該当していないかチェックしてみてください。
害虫が発生する原因①掃除不足
部屋の掃除が行き届いていないことは、害虫が発生する原因のひとつです。
たとえば、「床に食べカスが落ちている」「生ゴミを長期間放置している」「段ボールを置きっぱなしにしている」などに該当する部屋は、害虫が繁殖しやすい傾向です。
とくに、ゴキブリはわずかな食べ残しがあるだけでも生き延びられるので、こまめな掃除や生ゴミの管理が欠かせません。
また、部屋にホコリがたまっているとダニの温床となるおそれがあるため、定期的に掃除をすることも大切です。
害虫が発生する原因②日当たりが悪く湿度が高い
日当たりの悪く湿気が多い部屋は、害虫にとって快適な生息環境となります。
カビやダニ、シロアリなどの害虫は湿度の高い場所で繁殖しやすいため「窓が少なく日光が入りにくい」「北向き・1階の部屋で日照時間が短い」「風とおしが悪い」部屋ではとくに注意が必要です。
また、梅雨の時期だと、外と室内の温度差が大きく結露が発生しやすい冬場にはカビが発生しやすくなり、ダニの増殖につながります。
湿気がこもりやすい部屋で害虫の発生を防ぎたいのなら、定期的な換気が欠かせません。
除湿器を使用して室内の湿度を下げる対策も有効です。
害虫が発生する原因③玄関や窓などに隙間がある
玄関や窓などに隙間が生じている賃貸物件は、害虫が発生しやすい傾向にあります。
たとえば、1階の部屋のケースでは、窓に隙間があるとそこから害虫が侵入する可能性が高いといえます。
とくに、隣人がベランダにゴミを放置しているときには、そこが害虫の発生する原因となりかねません。
また、玄関ドアを開けたわずかな隙間からでも、害虫は室内へ侵入してきます。
キッチンや浴室の排水口・通気口からも害虫が侵入してくるリスクがあるため、どこから発生しているのか経路を確認したうえで遮断することが大切です。
害虫駆除費用は誰が負担するのか?
借りている賃貸物件に害虫が発生したとき、害虫駆除費用を誰が負担するのかは場面によります。
基本的には害虫の発生原因によって害虫駆除費用の負担者は変わるため、自分が支払う必要あるのかを事前に確認しておきましょう。
ここでは、賃貸物件の害虫駆除費用の負担者について解説します。
入居者が害虫駆除費用を負担するケース
一般的に、入居者の生活習慣が原因で害虫が発生したときには、害虫駆除費用を入居者が負担することになります。
たとえば、掃除不足や食べ残し、ゴミの放置などによって害虫が発生するパターンです。
賃貸物件を借りるときには、入居者も害虫の発生を予防する義務を負います。
そのため、こまめな掃除や定期的な換気、害虫忌避剤の使用などによって害虫の発生を未然に防ぐ努力が求められるのです。
入居者の責任で害虫が発生したケースでは自費で害虫駆除業者に依頼するか、市販の駆除スプレーなどで対応しなければなりません。
大家さんが害虫駆除費用を負担するケース
一方で、賃貸物件の構造上の問題で害虫が発生したケースや、入居前から害虫被害があったときの害虫駆除費用を負担するのは大家さんです。
たとえば、建物の老朽化が原因でいたるところに害虫の侵入経路となる隙間が生じているときには、大家さんが責任をもって害虫駆除に対応しなければなりません。
また、雨漏りが原因で構造材が腐ってシロアリが発生したケースでも、大家さん側が害虫駆除費用を負担する必要があります。
そのほか、排水トラップの劣化により排水管から害虫が侵入してくるケースや前の入居者の退去後にクリーニングを怠っていたために害虫が発生したケースでも大家さんが害虫駆除費用を負担します。
このような原因により部屋に害虫が発生して困っているのであれば、まずは大家さんや管理会社に連絡をして駆除を依頼するのが適切です。
害虫が発生しやすい賃貸物件の条件について
一度害虫が発生したら、もうその部屋には住みたくないと考えるかもしれません。
そのため、害虫被害にあいたくないときには、害虫が発生しやすい条件を備える賃貸物件を避けることがポイントです。
ここでは、害虫が発生しやすい賃貸物件の条件について解説します。
条件①物件近くに飲食店が多い
飲食店が建ち並んでいるエリアにある賃貸物件を選ぶと、ゴキブリなどの害虫被害に悩まされるかもしれません。
飲食店から出た生ゴミや食べカスが原因で、害虫が繁殖しやすい環境が醸成されているためです。
そのため、賃貸物件の内見をするときには、周囲にどのくらい飲食店があるか、ゴミの出し方は丁寧かなどを確認することが大切です。
また、一般的に高層階の部屋は害虫が侵入しにくい傾向にありますが、それでも周囲に飲食店が多いときには油断はできません。
壁伝いに虫がのぼってきたり、エレベーターを通じて高層階にまで入り込んできたりする可能性があるためです。
したがって、室内への害虫の侵入を避けたければ、周囲に飲食店が存在しないエリアを選ぶことが欠かせません。
条件②水場が近くにある
賃貸物件の周囲に川や公園があるときには、害虫の侵入に要注意です。
たとえば、川が近くを流れていると、夏場に蚊が大量に発生して窓を開けられない事態に陥りかねません。
公園に大きな噴水があるケースでも同様です。
ただし、川や公園が賃貸物件の近くにあると休みの日にウォーキングをしたり、読書をしたりなどで気分転換を図れるメリットがあります。
そのため、害虫が発生しやすい理由だけで借りるのを敬遠するのではなく、周辺環境を踏まえたうえで自分にとって居心地が良いエリアかどうかを検討することが大切です。
条件③賃貸物件の1階
賃貸物件のなかでも、とくに1階の部屋は害虫被害に悩まされやすい傾向があります。
1階はほかの部屋と比べて地面からの距離が近いだけでなく、日当たりの悪さから湿気がこもりやすいためです。
1階の部屋のなかでも、ゴミ置き場の近くはとくに害虫被害にあいやすいため気を付けましょう。
ただし、1階でも害虫被害にあいにくい賃貸物件は存在します。
たとえば、周辺にエサ場となるような飲食店がない、周囲に高い建物がなく1階でも日当たりや風とおしが良いなどです。
また、建物の構造に着目すると、隙間ができやすい木造よりも気密性の高い鉄筋コンクリート造のほうが害虫は侵入しにくい傾向にあります。
1階の部屋は高層階に比べると家賃が安いメリットもあるため、害虫にあいにくい条件を満たす賃貸物件を選ぶと快適に暮らせる可能性が高まります。
まとめ
賃貸物件で害虫が発生するおもな原因は、掃除が不足していることや、日当たりが悪く湿度が高いことです。
害虫駆除にかかる費用は入居者の生活環境によるものなら自己負担、建物の構造的な問題なら大家さん負担になることが一般的です。
また害虫が発生しやすい賃貸物件の条件としては飲食店や水場の近く、1階の部屋が挙げられます。