賃貸物件の設備が破損したときの対応は?初期設備の内容と注意点を解説

賃貸物件の設備が破損したときの対応は?初期設備の内容と注意点を解説

賃貸物件での生活を続けていると、住宅設備が破損することがあります。
破損した設備の修理費用は誰が負担するのか、勝手に交換しても良いのかなどわからないことが次々と頭に浮かび、対応に苦慮している方もいるでしょう。
そこで今回は、賃貸物件の設備が破損したときの対応と注意点について、初期設備と併せて解説します。

賃貸物件の初期設備とは

賃貸物件の初期設備とは

賃貸物件の初期設備とは、賃貸借契約を結んで入居したお部屋に最初から設置されていた住宅設備を指します。
前に入居していた方が退去時に持ち出さず、室内に取り付けられたままの私物は残置物であり、初期設備には該当しません。

初期設備に該当するもの

初期設備は、台所設備だけでもキッチンや給湯器、ガスコンロなどが挙げられます。
お風呂や温水洗浄便座、ドア、備え付けのエアコンなど、大型の設備や家電も「初期設備」として扱われます。
小さな設備で言えば、水回りに取り付けられている排水口や蛇口なども初期設備のひとつです。
なお、具体的な初期設備は「賃貸借契約書」あるいは「重要事項説明書」に記載されているため、賃貸借契約を結ぶ前に注意深く確認しておくことをおすすめします。

初期設備の修理負担は基本的に貸主負担

初期設備に破損がみられるときは、基本的に貸主が修理費用を負担します。
そもそも初期設備は貸主である大家さんの所有物であり、基本的な生活を送るために必要な設備が整っていることを前提に家賃を決め、借主と賃貸借契約を結びます。
ゆえに、初期設備に破損が見つかり修理が必要と判断されれば、費用を負担するのは賃貸物件の貸主になるわけです。
通常の範囲内で使用した結果、経年劣化にともない破損が発生したケースも貸主が修理費用を負担します。
ただし、経年劣化が電球やパッキンなどの消耗品に発生すると、修理費用は借主負担になるのが一般的です。
初期設備と一緒に消耗品の内容も事前に確認することをおすすめします。

初期設備の破損に対する補償

破損が原因で賃貸物件の初期設備が使用できないと、借主は貸主から補償を受けられます。
2020年4月1日に施行された改正民法によれば、破損を理由として設備が使用できないとき、貸主に対して賃料の一部減額を義務付けるとしています。
賃貸物件の借主にとって民法改正は、入居時の安心材料のひとつになるでしょう。

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賃貸物件の設備が破損したときの対応

賃貸物件の設備が破損したときの対応

賃貸物件の設備が破損したとき、責任の所在は破損理由により異なります。
責任の有無に応じて適切な対応も変わるため、ケースごとに誰が責任を問われるのか確認しておきましょう。

ケース1.故意や過失による破損

「ストレスがたまってドアを強く蹴り少しへこんだ」「物を投げたら窓ガラスが割れた」など、借主の故意にともなう設備の破損は借主負担での修理が必要です。
「持っていた荷物がぶつかって襖が破れた」など借主の過失が原因で生じた設備の破損も、同じく借主が修理費用を負担しなければならないでしょう。
故意および過失にともなう設備の破損は法律における「債務不履行」か「不法行為責任」にあたります。
賃貸物件の借主が費用を支払い、設備の修理もしくは交換対応をしなければならないため注意が必要です。

ケース2.災害などによる破損

地震や河川の氾濫、台風被害など自然災害を原因とした設備の破損は、基本的には賃貸物件の貸主に対応責任が生じます。
自然災害は事前予測が困難な事象であり、借主の故意あるいは過失とは関係なく発生するものです。
たとえば、台風で飛ばされた看板が衝突して窓ガラスが割れたとしても、原因が自然災害によるものだと判断できれば借主に責任が生じることはまずありません。
賃貸物件の設備が自然災害により破損したときは、速やかに貸主である大家さんに連絡して対応を待ちましょう。

ケース3.不具合の放置による状態の悪化

設備に不具合が生じたにもかかわらず、長時間対応を怠り状態が悪化したケースは、賃貸物件の貸主ではなく借主に責任がおよぶ傾向にあります。
仮に最初に生じた破損が借主の故意および過失と無関係だとしても、状態を悪化させた原因が不具合の長期的な放置にあると判断されると、貸主から責任を問われやすくなります。
貸主から借主へ破損した設備の修理費用を請求されるおそれがあるため、設備に不具合が見つかったら対応を後回しにせず、早いうちに貸主へ相談しましょう。

勝手な修理対応は避ける

設備が破損したら自分だけで対応せず、必ず賃貸物件の貸主に連絡しましょう。
仮に相談や連絡をせず勝手に修理すると、貸主負担での修理が可能なケースでも費用が支払われないおそれがあります。
修理費用の不当な負担を避けるためにも、設備の破損を発見したら貸主にすぐ連絡し、対応を求めることが大切です。

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賃貸物件の設備が破損したときの注意点

賃貸物件の設備が破損したときの注意点

賃貸物件で暮らすなら、残置物および原状回復費用の2つに対する注意点を事前に確認しておきましょう。
注意点を理解しておくと、万が一に設備が破損したときにも適切な対応を取りやすくなります。

注意点1.残置物の修理は借主負担

破損した設備が残置物に該当するとき、修理費用は賃貸物件の借主が負担しなければなりません。
たとえば、初期設備としてエアコンを取り付けている賃貸物件がある一方、非設置としているにもかかわらず、室内にエアコンがある賃貸物件もあります。
このケースは、前の入居者が設置したまま退去したと判断され、室内に設置されたエアコンは初期設備ではなく残置物とみなされます。
残置物は賃貸物件の初期設備にはあたらないため、使用中に故障や破損が生じても貸主に修繕や交換を依頼することは不可能です。
また、残置物は勝手に処分できないところも、賃貸物件での生活を始めるうえでの大事な注意点です。
仮に破損や故障が発覚したときは、まず賃貸物件の貸主に相談し、指示を待ちましょう。
残置物に関するトラブルに巻き込まれないためにも、賃貸借契約書や重要事項説明書を事前に読み込んでおいてください。
また、残置物があるケースでは、お部屋の内見時に説明を受けるのが一般的です。
室内に残置物がある旨の説明があるときは、必ず内容に耳を傾け、必要に応じてメモを取るなどすると良いでしょう。

注意点2.原状回復義務の存在

賃貸物件に住み始めるときには「原状回復のルール」をきちんと理解しておくことが大切です。
とくに、賃貸物件からの退去時に汚れ、あるいは破損が見つかったときは注意しなければなりません。
お部屋の汚れ、あるいは傷や破損が生じた原因が経年劣化であると判断されれば、借主は設備の修理費用を請求されずに済みます。
しかし、経年劣化以外の理由が原因であると判断されたときは、退去するタイミングで借主に原状回復義務が発生し、修理費用を支払わなければなりません。
なお、原状回復にともなう費用は賃貸借契約の時点で負担した敷金をもとに支払われるのが一般的です。
敷金で負担しきれなかった費用は、賃貸物件の貸主から別途請求されることがある点も併せて頭に入れておきましょう。

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まとめ

賃貸物件における初期設備は、キッチンやドアなど室内に最初から取り付けられている設備を指します。
設備の破損理由が故意などに該当するケースでは責任の所在が借主にあるとされ、費用負担などの対応が必要になります。
なお、原状回復義務など注意点もあるため、設備の破損に関してはくれぐれも気を付けましょう。

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