賃貸物件に断熱窓は必要?寒さや光熱費への影響についても解説

賃貸物件に断熱窓は必要?寒さや光熱費への影響についても解説

冬場の冷え込みや結露に悩む方にとって、窓の断熱は室内環境を快適に保つための重要なポイントです。
とくに、賃貸住宅では大規模なリフォームが難しいため、手軽に取り入れられる断熱対策が求められます。
こうした対策を講じることで、寒さを和らげるだけでなく、冷暖房効率の向上による光熱費の節約も期待できるでしょう。
この記事では、窓の断熱が果たす役割と、賃貸でも実践できる具体的な対策方法についてわかりやすくご紹介いたします。

賃貸住宅の断熱を考えるうえでの窓の重要性

賃貸住宅の断熱を考えるうえでの窓の重要性

賃貸物件を選ぶ際、窓の断熱性は見落とされがちですが、快適な住環境を築くうえで重要な要素です。
とくに、冬場の寒さや夏場の暑さ、光熱費の増加に悩まされる方は、窓の性能に注目することで問題解決の糸口が見えてきます。
以下では、窓が住宅の断熱性に与える影響について詳しく解説いたします。

家の中で最も熱が出入りする場所

窓は、住宅の中で最も外気の影響を受ける「開口部」です。
多くの賃貸物件で採用されている「アルミサッシ+単板ガラス」の組み合わせは熱を通しやすく、冬は暖かい空気が外へ逃げ、夏は外の熱気が室内に入り込みます。
これにより冷暖房効率が低下し、光熱費が増える原因となります。
樹脂に比べて熱伝導率が約1,000倍も高いアルミサッシは、外の冷たさを室内に伝えやすく、結露を誘発する大きな要因にもなります。
実際、断熱性能を示す熱貫流率(数値が低いほど高性能)を比較すると、一般的なアルミサッシ+単板ガラスが約6.5W/㎡Kであるのに対し、高断熱な樹脂サッシ+Low-E複層ガラス(アルゴンガス入)は約1.5W/㎡Kと、4倍以上の性能差があります。

熱損失の約半分は「窓」から

国土交通省のデータによると、冬の暖房時に家から逃げ出す熱のうち、約半分(48~58%)は窓などの開口部からです。
これは屋根や外壁、床からの熱損失よりもはるかに大きい割合であり、窓の断熱対策がいかに省エネに重要かがわかります。
内窓の追加や断熱フィルムで開口部を強化するだけでも、熱の出入りを大幅に抑制し、室温を安定させられます。
実際、2023年の自治体モニター調査によると、内窓を追加した家庭は暖房エネルギーを平均27%削減し、室温も約2℃上昇しました。
また、近年の先進的窓リノベ事業などの補助金を活用すれば、初期費用を抑えてリフォームできるケースも増えています。

健康維持にも不可欠

季節の変わり目や冬場に起こりやすい急激な室温の変化は、体に想像以上の大きな負担をかけ、場合によっては「ヒートショック」を引き起こす要因となります。
ヒートショックとは、暖かいリビングから寒い廊下や浴室へ移動した際などに、急激な温度差によって血圧が大きく変動し、心臓や血管に重大なダメージを与える現象です。
失神や転倒だけでなく、心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる事態に繋がるケースも少なくありません。
とくに、温度変化への対応力が弱い高齢者や乳幼児のいる家庭では注意が必要です。
さらに、住宅の省エネ基準では、開口部の断熱等性能等級が細かく設定されており、窓対策が評価の大きな割合を占めています。
窓の断熱性を高めて室温を安定させることは、快適性だけでなく、家族の健康を守ることにも直結します。

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賃貸住宅でできる!窓の断熱DIY対策

賃貸住宅でできる!窓の断熱DIY対策

原状回復が求められる賃貸物件でも、手軽に取り入れられる断熱対策は数多くあります。
ここでは代表的な3つの方法をご紹介します。

緩衝材を貼る

気泡緩衝材は、無数の空気層が熱の伝わりを遮断してくれる安価で効果的な断熱材です。
窓に合わせてカットし両面テープで貼るだけですが、結露で剥がれやすいため定期的な確認が必要です。
また、光を遮るため、寝室など採光を気にしない場所に向いています。

プラダン(プラスチック段ボール)をはめ込む

プラダンは中空構造で断熱性が高く、軽くて加工しやすいのが特徴です。簡易的な内窓のように使えます。
窓枠の内寸に合わせてカットし、はめ込むだけで設置できます。
固定には、窓枠の上下に「コ型ジョイナー」や「隙間テープ」を使うと、着脱が簡単で壁を傷つけません。
ただし、不透明なため、部屋が暗くなります。採光が必要な窓は避け、必要な面のみに施工しましょう。

窓用断熱シートを貼る

市販の窓用断熱シートは、デザインや機能が豊富で、最も手軽な方法の一つです。
窓ガラスに直接貼り付けて使うもので、霧吹きでガラスを濡らして貼る「水貼りタイプ」は、糊残りがないため賃貸住宅に最適です。
透明なタイプを選べば、部屋の明るさを保ったまま断熱効果を得られますし、なかにはUVカット機能や目隠し機能を持つ製品もあります。
網入りガラス(金属ワイヤ入りガラス)は、フィルムを貼ることでガラスが高温になり、熱膨張の差で「熱割れ」を起こす危険性がありますので、「網入りガラス対応」と記載された製品を選ぶとよいでしょう。

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賃貸物件でもできる「窓の結露」対策は?

賃貸物件でもできる「窓の結露」対策は?

冬場の賃貸住宅では、窓の結露が悩みの種となることが多く、放置するとカビの発生や建材の劣化を招く恐れがあるでしょう。
断熱対策と並行して、結露そのものを防ぐ工夫も取り入れましょう。
以下では、換気、シート、スプレーの三つの方法を中心に、賃貸物件でも手軽にできる具体的な対策をご紹介いたします。

換気

結露の最大の原因は、室内の過剰な湿気ですので、定期的な換気で湿気を外に逃がすことが最も重要です。
室内の湿気を逃がすために、調理や入浴後、就寝前や起床後など、湿気が発生しやすいタイミングで5~10分程度、窓を開けましょう。
また、対角線上の窓を同時に開けると効率が上がり、結露やそれに伴うカビ、喘息のリスクを減らせます。
さらに、就寝中は加湿器の設定を控えめにし、換気扇を併用するとより効果的です。
室内湿度を40~60%に保つことが結露防止の目安と覚えておくと管理しやすいです。

結露防止シートを貼る

結露防止シートを水貼りで装着すると、暖かい空気がガラスに触れにくくなり、結露を抑えられます。
気泡を除けば見た目も整い、デザイン柄なら目隠しにも活用できますが、金属ワイヤ入りなど適さないガラスもあるため事前確認が必須です。
また、シートの吸着力が落ちたら早めに貼り替え、汚れやカビを防ぎましょう。
貼り替えの際は中性洗剤でガラス面を洗浄し、乾いたマイクロファイバークロスで拭き上げると透明感が戻ります。
さらに、結露の水滴を吸水するフェルトタイプのテープと併用すれば、窓枠の木部腐食も防げます。

スプレー型の結老防止剤を使う

スプレー型の結露防止剤は、ガラス面に吹き付けて拭き上げるだけで、水の膜を形成し結露の発生を抑制します。
抗菌成分入りならカビ対策にも役立ちますが、効果は数週間程度のため、定期的な再塗布と換気を忘れないようにしましょう。
また、製品によっては拭き跡が残る場合があるため、目立たない場所で試してから全面に施工すると安心です。
鏡や浴室の窓など、水滴が付きやすい場所へ併用すると清掃負担を軽減できます。
なお、窓ガラス専用の撥水剤と重ね塗りすると、防汚効果が向上し、お手入れ頻度がさらに減ります。

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まとめ

賃貸物件でも、窓からの冷気や結露に対しては、簡単な工夫で快適な室内環境を整えることが可能です。
断熱シートや隙間テープなどを活用することで、外気の侵入を防ぎ、冬でも暖かさを保つことができます。
大がかりな工事をせずとも取り入れやすい対策が多いため、手軽な断熱対策を暮らしに役立ててみましょう。

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あびこ住まい メディア編集部

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